ブランディングプロセス
ブランディングプロセスには、5つのフェーズがあります。
準備、戦略、創造、構築、そして管理です。ブランドの目的や目標を明確にした上で体系的に進めます。
1.準備
ブランディングの体制を整える
-
Step1ブランドセミナー等でブランドを議論するための共通言語を理解する。
-
Step2トップマネジメントのコミットメントを得て、ブランディングのプロジェクトチームを結成する。
-
Step3プロジェクトに取り組む動機や目的、スケジュール等、開発計画について再確認する。
2.戦略
ブランドコンセプトを規定する
ブランディングの出発点は、企業側が顧客に伝えたいブランドコンセプトを規定することです。ブランドコンセプトとは、「自社が望むブランドのあるべき姿」や「社会にこのように思われたい」という競合と差別化されたブランドの特徴を表したものです。このブランドの特徴を言語化し明確に規定します。これによって、ブランドの世界観や魅力を分かりやすいものにして、他者と共有することを助けます。また、顧客とのコミュニケーションにおける戦略や視覚表現に展開する際の拠り所にもなります。
-
Step1自己について知る
- ー 経営者ヒアリングや現場調査、既存資料を通してブランドの現状と中長期の経営戦略を理解する。
- ー ワークショップ形式で各種アクティビティを行い、自分たちのブランドの将来像を考える。
- ー 収集した情報からブランドを差別化するキーワードを抽出し、提供価値を整理すると同時にブランドのポジショニングを決める。
-
Step2顧客について知る
- ー ターゲット顧客を設定する
- ー 顧客はブランドに対してどのような期待を持っているか、どのような知識があるかを推察する。
-
Step3ブランドコンセプトを明文化する
- ー ブランドの提供価値と顧客の期待を結びつけるブランドコンセプトを開発する。
- ー ブランドコンセプトの構成要素となるブランド理念、ターゲット、提供価値、ブランドパーソナリティなどを整理して明文化する。
- ー 最終的に採用されたブランドコンセプトを精緻化してブランドプラットフォームとして設定する。
3.創造
クリエイティブ開発でブランドコンセプトを可視化する
規定したブランドコンセプトに基づき、ブランドに独自性を持たせるデザイン要素を開発します。これらのデザイン要素で構成されるデザインシステムは、ブランドの Tone&Manner(世界観)となってブランドを特徴付け、他の競合サービスとの差別化に役立ちます。また、すべてのタッチポイントに一貫して適用することで、発信するメッセージをより強化しブランドを強力に印象付けます。
-
Step1ブランドコンセプトに基づき、開発基準(Tone&Manner/ブランド体系)やデザインの方向性を設定する。
-
Step2ブランドの基本要素(ブランドネーム・ブランドロゴ・キャッチフレーズなど)を開発する。
-
Step3デザインシステム(ブランドロゴとの組み合わせ基準・カラーシステム・指定書体など)を開発する。
4.構築
ブランドコンセプトを発信・展開するための運用システムを構築する
ブランドコンセプトを社会に向けて発信することで、認知を得ることが可能になります。ブランドの世界観を実体化するために、各種コミュニケーションツールへ実施展開を行います。あらゆる展開物は、ブランドコンセプトとの整合性を保ちながら視覚的な統一感を持たせるようにデザインします。タッチポイントでのブランド経験によって、顧客のこころの中にブランドを浸透させていきます。
-
Step1カスタマージャーニーで顧客とのタッチポイントを俯瞰で検証し、顧客体験の向上を図るための分析をする。
-
Step2タッチポインごとのブランドコミュニケーション施策を立案する。(WEB・商品パッケージ・店舗・パンフレットなど)
-
Step3タッチポインごと具体的なアイテムのデザイン制作を行い実施展開する。
5.管理
ブランドの効果的な運用や統合性・品質を保つための監理をする
ブランドは、ブランドマークや制作物を作成して終わりではなく、継続的に運用することで他社が真似ることが出来ない経営資産となっていきます。例えば、ブランドブックを作成して従業員の士気を高めたり、ブランド研修で自社ブランドの全社的な浸透を図り、企業文化を築いていきます。また各タッチポイントの制作物が、ブランドガイドラインに従って適切にデザインされているかなど、ブランドの品質を定期的に評価しながら顧客体験を改善していきます。
-
Step1ブランドの展開基準となるブランドマニュアルやデザインガイドラインを作成し、データで管理する。
-
Step2ブランドのビジョンやコンセプトを伝えるブランドブックを作成し、社内外に啓発する。
-
Step3ブランドの基本要素、デザインシステム、展開アイテムを俯瞰して見ることができるブランドユニバースを作成し、ブランドの世界観を継続的に管理する。